医療情報取得加算は2026年に廃止?新たな加算制度の要件も徹底解説

医療情報取得加算を出すために必要な道具

医療情報取得加算は、単なる点数変更ではなく、医療DXの評価軸が「導入」から「実際に使える連携体制」へ移ったことを示す改定です。
廃止後の新制度を理解し、算定漏れや運用混乱を防ぐ準備が必要になります。

目次

医療情報取得加算が2026年に廃止された背景

医療情報取得加算の廃止は、マイナ保険証やオンライン資格確認の普及を受け、医療DX関連の評価を整理し直す流れの中で行われました。

ここでは、制度変更の背景を確認します。

2026年度の診療報酬改定にともなう方針

2026年度の診療報酬改定では、医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算が廃止され、電子的診療情報連携体制整備加算へ再編されました。

従来は、情報を取得できる体制や医療DXを進める体制が個別に評価されていましたが、改定後は診療情報を電子的に連携し、実際の診療に活用できる体制が重視されます。

制度の名称変更ではなく、評価される行動そのものが変わった点に注意が必要です。

マイナ保険証の普及にともなう評価の見直し

医療情報取得加算は、オンライン資格確認を通じて患者の受診歴、薬剤情報、特定健診情報などを取得し、診療に活用することを評価する加算でした。

2024年12月からは初診時1点、再診時1点、調剤時1点という扱いに整理され、マイナ保険証の利用有無による差も見直されています。

普及が進むにつれ、単に取得できるだけではなく、医療機関側がその情報を診療判断に生かせるかが問われる段階に入りました。

医療DXのさらなる推進に向けた一本化

これまでの制度では、医療情報取得加算と医療DX推進体制整備加算が並立していたため、現場では要件の違いや掲示内容、算定タイミングを整理しにくい面がありました。

2026年度改定では、関連する評価を一本化し、オンライン資格確認、電子処方箋、診療情報の活用、院内掲示などを一体で確認する方向に整理されています。

クリニック経営では、加算名を追うだけでなく、受付から診察室までの運用全体を見直す必要があります。

医療情報取得加算に代わって新設された電子的診療情報連携体制整備加算とは

電子的診療情報連携体制整備加算は、医療機関が診療情報を電子的に取得し、連携し、診療に活用する体制を評価する新しい加算です。

ここでは制度の基本を整理します。

医療情報取得加算の廃止後に確認したい

医療情報取得加算と電子的診療情報連携体制整備加算の違い

医療情報取得加算は、オンライン資格確認で取得した医療情報の活用を評価する加算でした。 一方、電子的診療情報連携体制整備加算では、情報を取得するだけでなく、診療情報を電子的に連携・活用できる体制まで評価されます。

比較項目 医療情報取得加算 電子的診療情報連携体制整備加算
制度上の位置づけ オンライン資格確認で取得した診療情報・薬剤情報等の活用を評価 電子的な診療情報連携体制の整備と実際の運用を評価
評価の中心 医療情報を取得し、診療に活用すること 取得した情報を診療現場で確認・連携・活用できる体制
主な対象 オンライン資格確認を導入している医療機関 オンライン資格確認に加え、電子処方箋や診療情報連携の体制整備を進める医療機関
確認されるポイント オンライン資格確認体制、情報活用、院内掲示など 電子資格確認の実績、診療情報の閲覧体制、電子処方箋、院内掲示・ウェブサイト掲載など
運用上の注意点 取得した情報を診療に活かしているかが重要 受付・診察・会計まで含めた院内フローの整備が必要

ポイント

医療情報取得加算の廃止後は、「オンライン資格確認を導入しているか」だけでなく、 「取得した医療情報を診療に活用できる体制が院内に整っているか」がより重要になります。

2026年6月に誕生した新しい加算制度

電子的診療情報連携体制整備加算は、2026年6月から運用されている新たな医療DX関連加算です。

従来の医療情報取得加算が、主にオンライン資格確認で得られる情報の取得と活用を評価していたのに対し、新制度では電子的な診療情報連携の体制整備まで含めて評価されます。

初診料、再診料、外来診療料などに関係するため、外来中心のクリニックでも影響は小さくありません。

実際の診療情報における活用実績の評価

新制度で重要になるのは、システムを入れているかどうかだけではありません。

マイナ保険証の利用率、オンライン資格確認で得た情報を診療に活用する体制、患者に対する説明や院内掲示など、実際に運用されているかが見られます。

つまり、受付でカードリーダーが動いていても、診察時に医師が情報を確認できない、スタッフが説明できない、掲示が古いままでは、制度に沿った運用とは言い切れません。

初診時における具体的な点数の設定

電子的診療情報連携体制整備加算は、初診料に対して加算1が15点、加算2が9点、加算3が4点とされています。

再診料および外来診療料では月1回を限度に2点が設定されています。

従来の医療情報取得加算が1点中心だったことを踏まえると、点数だけでなく要件確認の重要性も高まりました

小さな点数差に見えても、月間患者数が多いクリニックでは年間収益に影響します。

医療情報取得加算の廃止後に医療機関が対応すべき施設基準

新加算では、電子レセプト請求、オンライン資格確認、院内掲示、マイナ保険証利用実績など、複数の基準を満たす必要があります。

ここでは実務上の確認点を解説します。

医療情報取得加算の廃止後に確認したい

医療機関が確認すべき施設基準チェックリスト

医療情報取得加算の廃止後は、新しい加算制度に合わせて、オンライン資格確認や電子処方箋、院内掲示などの体制を整理しておくことが重要です。

  • 01電子レセプト請求に対応している
  • 02オンライン資格確認を行える体制がある
  • 03マイナ保険証の利用実績を定期的に確認している
  • 04取得した診療情報を診察室等で確認できる
  • 05電子処方箋システムの導入状況を確認している
  • 06患者へ医療情報の取得・活用について説明できる
  • 07院内掲示の内容が最新の制度に合っている
  • 08ウェブサイト上にも必要事項を掲載している
  • 09資格確認エラー時の対応手順を決めている
  • 10受付・診察・会計で運用ルールを共有している

運用確認のポイント

医療情報取得加算の廃止後は、施設基準を満たしているかだけでなく、 受付スタッフが患者へ説明できるか、医師が取得情報を診療に活用できるかまで確認しておく必要があります。

オンライン資格確認における体制の構築

まず確認すべきなのは、オンライン資格確認を安定して行える体制です。

単に機器を設置しているだけでなく、受付での案内、資格確認エラー時の対応、診察室への情報共有、患者から同意を得た情報の確認手順まで整えておく必要があります。

特にクリニックでは、受付スタッフの説明力が利用率に直結します。院長だけが制度を理解していても、窓口で患者が迷えば運用は止まります。

マイナ保険証の利用率に対する一定の実績

新制度では、マイナ保険証の利用について一定の実績が求められます。

過去の医療DX推進体制整備加算でも、利用率に応じた区分が設けられており、2026年度以降も利用実績は重要な判断材料になります。

利用率を上げるには、患者に強く迫るのではなく、受付時の声かけ、院内掲示、予約時の案内、資格確認書との違いの説明をそろえることが大切です。

現場で自然に案内できる仕組みが必要になります。

電子処方箋システムにおける導入の整備

電子処方箋への対応も、医療DX関連の体制整備では重要な確認項目です。

導入の有無だけでなく、処方内容の登録、薬局との連携、患者への説明、トラブル時の紙処方箋対応まで決めておく必要があります。

医師、受付、看護師、事務長の間で理解がずれていると、患者説明にばらつきが出ます。

制度対応はシステム担当者だけに任せず、診療フロー全体の変更として扱うべきです。

医療情報取得加算の廃止で変わる患者の窓口負担額

加算の廃止と新設により、患者の窓口負担にも変化が生じます。

金額は小さく見えますが、患者説明を誤ると不信感につながるため、事前整理が欠かせません。

マイナ保険証を提示した場合の費用

従来の医療情報取得加算では、2024年12月1日以降、マイナ保険証の利用有無にかかわらず、要件を満たす場合に初診時1点などが算定される扱いでした。

新制度では、初診時に加算1なら15点、加算2なら9点、加算3なら4点となり、3割負担ではおおむね数十円の負担差になります。

患者には、マイナ保険証を出したから高くなるという説明ではなく、診療情報を安全に活用する体制への評価であることを伝える必要があります。

従来の健康保険証が終了したあとの扱い

従来の健康保険証は新規発行が終了し、マイナ保険証または資格確認書による確認へ移行しています。

これにより、受付では患者ごとに確認方法が分かれる場面が増えます。

高齢の患者や制度変更に不安がある患者には、負担額だけでなく、受診できなくなるわけではないことを丁寧に説明する姿勢が大切です。

窓口での一言が、クレームを防ぐだけでなく、クリニックへの信頼にもつながります。

医療機関ごとの区分による負担の違い

電子的診療情報連携体制整備加算は、医療機関が満たす施設基準や実績によって区分が変わります。

そのため、同じ初診でも、ある医療機関では15点、別の医療機関では9点または4点となる場合があります。

患者から「なぜ前の医院と金額が違うのか」と聞かれる可能性もあります。

受付スタッフが制度名だけを読み上げるのではなく、医療情報を活用する体制の違いであると説明できる準備が求められます。

医療情報取得加算の廃止にともなう新しい加算の仕組みを理解して適切に運用しよう

医療情報取得加算の廃止は、クリニックにとって単なる算定項目の入れ替えではありません。

医療DX関連の評価が、導入済みのシステムを持っているかではなく、患者情報を診療に活用できる組織運用になっているかへ移ったことを意味します。

電子的診療情報連携体制整備加算は、点数だけを見れば小さな加算に感じるかもしれません。

しかし、受付、診療、会計、薬局連携まで含めて整えることで、クリニック全体の業務品質を底上げできます。

制度変更を負担として受け止めるだけでなく、院内の情報連携を見直す機会として活用することが大切です。

ご相談・お問合せ

「電子的診療情報連携体制整備加算の要件を満たしているか不安」
「マイナ保険証の利用率をどう上げればよいかわからない」
「受付スタッフへの説明内容や院内掲示を整理したい」
「電子処方箋やオンライン資格確認の運用が現場で定着していない」

こういったご相談を、クリニック経営の現場から多くいただいています。

当社では、診療報酬改定への対応を単なる制度確認で終わらせず、受付動線、スタッフ教育、患者説明、院内掲示、算定管理まで含めて、クリニックの実態に合わせた運用整備をサポートしています。

「今の体制で算定できるのか確認したい」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

クリニックの開業支援から経営改善までをトータルサポートするKSメディカルサポートの専門コンサルタント・マーケター陣による共同編集チームです。
現場で培った最新の経営ノウハウや集客戦略など、クリニック経営の活性化に直結する一次情報をお届けします。

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