クリニックの平均売上は?経営実態と収入を上げる方法を解説

クリニックの平均売上と自院の売上を比べる院長

クリニックの平均売上は、診療科や開設形態だけでなく、患者数、診療単価、固定費、人員体制で大きく変わります。
平均値を目安にしながら、自院の改善余地を数字で把握することが重要です。

目次

クリニックの平均売上の最新データ

まずは実際のクリニックの平均売上を見ていきましょう。

※平均売上・損益差額などの統計数値は、厚生労働省『第25回医療経済実態調査』を参照しています。
出典:第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告

クリニックの平均売上がひと目でわかる

厚生労働省「第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)」をもとに、個人クリニックと医療法人クリニックの平均売上をまとめました。

個人クリニック

約9,094万円

月間:約758万円

医療法人クリニック

約1億9,076万円

月間:約1,590万円

比較項目 個人クリニック 医療法人クリニック
年間平均売上 約9,094万円 約1億9,076万円
月間平均売上 約758万円 約1,590万円
特徴 院長中心の運営が多い スタッフ数・事業規模が大きい傾向

※平均売上は厚生労働省「第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)」をもとに作成しています。

個人クリニックにおける平均売上

個人クリニックの平均売上は、一般診療所全体で年間約9,094万円です。

月間では約758万円となります。

ただし、これは青色申告者を含む全体平均であり、診療科や有床・無床、外来中心か在宅中心かによって実態は変わります。

平均を上回るかどうかだけでなく、自院の診療内容と費用構造に照らして見る必要があります。

医療法人クリニックにおける平均売上

医療法人クリニックの平均売上は、一般診療所全体で年間約1億9,076万円です。

個人より売上規模が大きくなりやすい一方、医師・看護師・事務職員などの人件費、複数拠点の管理費、設備投資も増えます。

売上が高いほど安定するとは限らず、管理体制が弱いと利益が残りにくくなる点に注意が必要です。

クリニックの平均売上から見る平均的な利益率

厚生労働省「第25回医療経済実態調査(医療機関等調査)」では、個人立一般診療所の損益差額は約2,639万円、損益率は28.9%となっています。

また、医療法人についても損益差額や損益率は公表されていますが、個人立と医療法人では会計上の処理や費用計上の方法が異なるため、数値を単純に比較することは適切ではありません。

そのため、平均売上や利益率を参考にする際は、自院と同じ開設形態・診療科・経営規模のデータを確認したうえで判断することが重要です。

クリニックの平均売上を左右する診療科ごとの特徴

診療科ごとの平均売上は、患者層、来院頻度、検査・処置の有無、医療機器、スタッフ配置によって変わります。

ここでは主要な診療科の経営上の特徴を整理します。

内科系クリニックの平均売上と経営の特徴

内科系クリニックは、生活習慣病など継続通院につながる疾患が多く、再診患者を安定的に確保しやすい診療科です。

個人の無床内科では年間医業収益が約1億1,241万円となっています。

慢性疾患管理、検査体制、予約導線が整うほど売上は安定しやすい一方、診療時間が院長に集中しやすく、待ち時間対策が重要になります。

整形外科系クリニックの平均売上と経営の特徴

整形外科系クリニックは、リハビリ、画像検査、処置が売上に関わりやすい診療科です。

患者数だけでなく、理学療法士やリハビリスタッフの配置、機器稼働率、導線設計が経営に影響します。

院長診察だけで回す設計にすると限界が早く来るため、診察、検査、リハビリの流れを分けて整えることが売上安定につながります。

小児科・皮膚科系クリニックの平均売上と経営の特徴

小児科は季節変動が大きく、感染症流行期と閑散期の差が出やすい診療科です。

皮膚科は保険診療に加え、自費診療をどう位置づけるかで収益構造が変わります。

小児科では予約管理と急患対応、皮膚科では診療時間内の回転率と説明品質が重要です。

どちらも患者満足度が口コミや再診率に反映されやすい傾向があります。

クリニックの平均売上を達成するために必要な指標

平均売上を目指すには、感覚的に集患するのではなく、患者数、診療単価、損益分岐点を分けて確認する必要があります。

数字に分解すると、改善すべき順番が見えてきます。

クリニックの平均売上と必要患者数の早見表

クリニックの平均売上を目標にする場合、年間売上だけでなく、月間売上と1日あたりの必要患者数まで逆算して確認することが重要です。以下は、診療単価を10,000円、月22日診療とした場合の目安です。

年間売上目標 月間売上の目安 月間必要患者数 1日あたり必要患者数
(月22日診療)
6,000万円 約500万円 約500人 約23人
8,000万円 約667万円 約667人 約31人
9,094万円
個人クリニック平均売上の目安
約758万円 約758人 約35人
1億円 約833万円 約833人 約38人
1億2,000万円 約1,000万円 約1,000人 約46人
1億9,076万円
医療法人クリニック平均売上の目安
約1,590万円 約1,590人 約73人

※診療単価10,000円、月22日診療で試算。実際の必要患者数は、診療科、診療単価、診療日数、保険診療・自費診療の割合によって変動します。

目標売上から逆算する1日あたりの必要患者数

年間売上9,000万円を目指す場合、月間売上は750万円です。

患者1人あたりの診療単価を10,000円とすれば、月750人の来院が必要になります。

月22日診療なら、1日あたり約34人です。単価が8,000円なら約43人、12,000円なら約29人となります。

まずは自院の実績単価で計算することが出発点です。

クリニックの経営を安定させる損益分岐点の目安

損益分岐点は、赤字と黒字の境目となる売上です。

家賃、人件費、リース料、広告費などの固定費を把握し、医薬品費や材料費などの変動費率を差し引いて計算します。

固定費が月400万円、変動費率が20%なら、必要売上は500万円です。

平均売上より低くても黒字の院もあれば、高売上でも資金が残らない院もあります。

売上を構成する重要な要素となる診療単価の平均

診療単価は、売上を患者数だけで考えないための重要指標です。

同じ1日40人でも、単価8,000円なら日商32万円、単価12,000円なら日商48万円となります。

ただし、単価を上げることは不要な診療を増やすことではありません

必要な検査、管理料、指導料、処置を正しく算定し、医療内容に見合った収益を確保することです。

クリニックの平均売上を向上させる具体的な改善策

売上改善では、集患だけに偏ると現場が疲弊します。

新規患者、再診率、診療報酬算定の3点を同時に見直すことで、無理の少ない改善につながります。

新規患者を獲得するための効果的なWEBマーケティング

新規患者の獲得では、ホームページ、検索対策、地図検索対策、口コミ管理が基本です。

診療時間、対応疾患、検査内容、予約方法がわかりにくいと、患者は他院へ流れます。

また、広告を出す前に、検索した患者が安心して予約できる情報設計を整えることが重要です。

医療広告ガイドラインを守り、誇大表現を避ける姿勢も欠かせません。

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再診率を高めて既存の患者に長く通ってもらう仕組み

再診率を高めるには、診療後の説明、次回来院の必要性、予約導線を明確にすることが大切です。

患者が「次にいつ来ればよいか」を理解できていなければ、治療中断が増えます

また、受付での声かけ、会計時の案内、予約システムの活用により、再診の抜け漏れを減らせるのです。

既存患者の継続は、広告費を抑えた安定経営につながります。

適切な診療報酬算定による取りこぼしのない売上確保

診療報酬の取りこぼしは、現場では気づきにくい売上低下要因です。

算定要件を満たしているのに請求していない管理料、指導料、検査、処置があると、患者数を増やしても収益性は上がりにくくなります。

定期的にレセプトを確認し、医師、看護師、事務が算定ルールを共有することで、医療内容に見合う売上を確保できます。

クリニックの平均売上でよくある質問

クリニックの売上に関する相談では、平均値そのものよりも、自院がなぜ届かないのか、どこから改善すべきかという質問が多く寄せられます。

よくある疑問を整理します。

開業1年目のクリニックにおける平均売上はどのくらいですか?

開業1年目の売上は、診療科、立地、開業前の認知度、競合状況によって大きく変わります。

平均売上だけを基準にすると、立ち上がり期の現実を見誤ることがあります。

重要なのは、月ごとの新患数、再診化率、広告費、診療単価を追い、計画との差を早めに把握することです。

初年度は売上額より改善速度が問われます。

クリニックの売上が平均以下の場合の主な原因は何ですか?

売上が平均以下になる原因は、集患不足だけではありません。

診療単価が低い、再診につながっていない、予約枠が詰まりすぎて新患を受けられない、算定の取りこぼしがある、スタッフ配置が非効率になっているなど、複数の要因が重なります。

院長の努力不足ではなく、仕組みのどこかに詰まりがあると捉えるべきです。

1日あたりの外来患者数は何人が平均的な目安ですか?

1日あたりの外来患者数は、目標売上と診療単価から逆算します

たとえば月750万円を目指し、診療単価が10,000円、月22日診療なら1日約34人です。

診療科によって適正人数は異なり、内科と整形外科、皮膚科では必要な診療時間も違います。

大切なのは、人数だけでなく待ち時間、診療品質、スタッフ負荷を同時に見ることです。

クリニックの平均売上を把握して自院の経営改善に活かそう

クリニックの平均売上は、自院の立ち位置を知るための重要な目安です。

ただし、平均を超えているかどうかだけで経営状態は判断できません。

個人クリニックと医療法人では費用構造が異なり、診療科によって必要な設備、人員、患者数も変わります。

経営改善で大切なのは、売上を「患者数」「診療単価」「再診率」「稼働率」「固定費」「変動費」に分けて見ることです。

数字を分けると、いま必要なのが集患なのか、再診導線の改善なのか、算定の見直しなのかが明確になります。

平均売上に届いていない場合でも、悲観する必要はありません。

売上はゴールではなく、持続的に診療を続けるための経営指標として活用することが重要です。

ご相談・お問合せ

「自院の売上が平均と比べて高いのか低いのか判断できない」
「患者数は増えているのに、なぜか利益が残らない」
「診療報酬の取りこぼしや人件費のバランスを見直したい」

こういったご相談を、クリニック経営の現場から多くいただいています。

当社では、クリニックの実態に合わせた売上分析、損益分岐点の確認、集患導線や診療体制の見直しを、経営全体の観点からサポートしています。

「まずは今の数字を見てほしい」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

クリニックの開業支援から経営改善までをトータルサポートするKSメディカルサポートの専門コンサルタント・マーケター陣による共同編集チームです。
現場で培った最新の経営ノウハウや集客戦略など、クリニック経営の活性化に直結する一次情報をお届けします。

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