往診とは?利用するメリットや訪問診療との違いを解説

往診を行っているクリニックの医師

往診は、通院が難しい方や急な体調変化が起きた際に、自宅や施設で医師の診察を受けられる在宅医療のひとつです。
しかし、「訪問診療との違いがよく分からない」「どのような場合に利用できるのか知りたい」と感じる方も少なくありません。
この記事では、往診の基本的な仕組みから訪問診療との違い、利用できる方の特徴、依頼方法まで分かりやすく解説します。

目次

往診とはどのような医療サービス?

往診は、患者様やご家族からの依頼を受けて医師が自宅や施設へ訪問し、その場で診察や治療を行う医療サービスです。

通院が困難な場合や急な体調変化が起きた際に利用されることが多く、在宅医療を支える重要な役割を担っています。

急な体調不良時に医師が自宅に駆けつける仕組み

往診とは、患者様の要請を受けて医師がその都度訪問し診察を行う仕組みです。

急な発熱や腹痛、呼吸苦などの症状が現れた際、すぐに病院へ行くことが難しい場合に利用されます。

救急搬送が必要な状態ではないものの、医師による診察が必要と判断されるケースで活用されることが多く、自宅や介護施設など住み慣れた環境で医療を受けられる点が特徴です。

24時間体制で対応可能な医療機関の役割

在宅医療に対応している医療機関の中には、24時間体制で患者様をサポートしているところもあります。

夜間や休日に症状が悪化した場合でも相談や診察が受けられるため、患者様やご家族の安心につながるのです。

特に高齢者や慢性疾患を抱える方では、急変時に迅速な対応が求められるため、在宅医療を支える医療機関の役割は年々重要性を増しています。

医療保険や介護保険が適用される費用負担

往診にかかる費用は医療保険の対象となり、自己負担割合に応じて支払額が決まります。

高齢者の場合は各種公費負担制度や高額療養費制度の対象となることもあり、経済的負担を軽減できる場合があります。

また、介護サービスと連携して療養している方は、介護保険サービスとの併用も可能です。利用前に費用の目安や自己負担額を確認しておくことが大切です。

往診の費用はいくら?自己負担額の目安

往診とは医療保険が適用される診療で、2026年度の診療報酬では基本となる往診料は720点です。 1点10円として計算すると医療費は7,200円となり、患者様が実際に支払う金額は自己負担割合によって異なります。

往診料と自己負担額の目安
自己負担割合 往診料 自己負担額の目安
1割負担 720点
医療費換算 7,200円
約720円
2割負担 720点
医療費換算 7,200円
約1,440円
3割負担 720点
医療費換算 7,200円
約2,160円
実際の支払いでは別途費用が加わる場合があります
初診料・再診料
検査・処置費
注射・点滴など
薬剤・処方に関する費用
夜間・休日等の加算
その他診療内容に応じた費用
POINT
720円〜2,160円だけで往診を受けられるという意味ではありません

上記は「往診料720点」のみを自己負担割合別に計算した目安です。 実際の窓口負担額には、初診・再診、検査、処置、薬剤などの費用が加わるほか、 夜間・休日など診療の時間帯や医療機関の体制によって加算が発生する場合があります。 正確な費用については、往診を依頼する医療機関へ事前に確認しましょう。

※2026年度(令和8年度)診療報酬の往診料720点をもとに作成。自己負担額は往診料のみの単純計算です。

往診とは異なる訪問診療との明確な違い

往診と訪問診療はどちらも医師が患者様のもとへ訪問する在宅医療ですが、目的や利用方法に大きな違いがあります。

それぞれの特徴を理解しておくことで、適切な医療サービスを選択しやすくなります

往診とは?訪問診療との違いを整理

往診と訪問診療は、どちらも医師が自宅や施設へ訪問する医療サービスですが、利用するタイミングや目的が異なります。

比較項目 往診 訪問診療
診療の目的 急な体調不良や症状悪化への対応 病状管理や療養支援を継続的に行う
診療のタイミング 必要なときにその都度依頼する あらかじめ決めた日時に定期訪問する
診療計画 基本的には臨時対応 診療計画に基づいて実施
対象となる方 急な発熱・腹痛・症状悪化などで通院が難しい方 通院困難で継続的な医療管理が必要な方
主な利用場面 夜間・休日の体調変化、急な不調時など 高齢者、寝たきりの方、慢性疾患の管理など
費用の考え方 往診料や時間帯による加算が発生する場合がある 訪問診療料や医学管理料などが発生する

つまり、往診とは「急な症状に対応するための臨時的な診療」、訪問診療とは「在宅療養を継続するための計画的な診療」と整理できます。

計画的な訪問診療と緊急対応の往診の違い

訪問診療は、あらかじめ作成された診療計画に基づいて定期的に医師が訪問する医療サービスです。

一方、往診は急な体調変化や症状悪化が発生した際に、その都度依頼して受ける臨時的な診療を指します。

訪問診療は予防や健康管理を目的とし、往診は突発的な症状への対応を目的としている点が大きな違いです。

対象となる患者様の状態や目的の違い

訪問診療は、継続的な医療管理が必要で通院が困難な患者様を対象としています。

定期的な診察や薬の管理、療養指導などを受けながら在宅生活を継続するための仕組みです。

一方で往診は、一時的な症状の悪化や急な体調不良に対応するために利用されます。

そのため、日常的な医療管理の有無によって選択されるサービスが異なります。

診療にかかる基本料金や加算項目の違い

訪問診療と往診では、算定される診療報酬の内容が異なります。

訪問診療は定期的な医学管理を前提とした費用体系であるのに対し、往診では緊急性や訪問時間帯などに応じた加算が発生する場合があります。

夜間や休日の対応では追加費用が発生することもあるため、利用前に医療機関へ確認しておくと安心です。

往診とは具体的にどんな人が利用できる?

往診は高齢者だけのための医療サービスではありません。

通院が難しい状況にある方や、急な体調変化で受診が困難な方など、さまざまなケースで利用されています。

通院が困難な高齢者や寝たきりの方

高齢による身体機能の低下や寝たきり状態の方は、病院へ通うこと自体が大きな負担になります。

こうした方にとって往診は、自宅で医療を受けられる重要な手段です。

移動による身体的負担を軽減できるだけでなく、ご家族の付き添い負担も抑えられるため、在宅療養を支える大きな役割を果たしています。

夜間や休日に急な発熱を起こした子ども

子どもは夜間や休日に突然発熱することがあります。

しかし、救急外来を受診するほどではない場合も少なくありません。

そのような場面で往診を利用すると、自宅で診察を受けることができ、保護者の移動負担や待ち時間の軽減につながります。

感染症流行時には院内感染リスクを抑えられる点もメリットです。

認知症などで精神的に通院が難しい方

認知症や精神疾患を抱える方の中には、病院へ行くこと自体に強い不安や抵抗感を持つケースがあります。

通院による混乱やストレスを避けるためにも、住み慣れた環境で診察を受けられる往診は有効な選択肢です。

患者様の状態に合わせた柔軟な対応ができることも在宅医療の強みといえます。

往診とはどのような流れで依頼すればいい?

実際に往診を利用する際は、事前に流れを理解しておくことでスムーズな対応が可能になります。

依頼から診察、処方までの一般的な流れを確認しておきましょう。

電話やWebからの出動要請と状況の伝達

往診を依頼する際は、医療機関へ電話やWebフォームから連絡を行います。

その際、患者様の年齢や既往歴、現在の症状、発症時期などをできるだけ詳しく伝えることが重要です。

正確な情報を共有することで、医師は適切な準備を整えたうえで訪問できるようになります。

医師による自宅での診察と処置の実施

医師が到着すると、自宅や施設内で診察が行われます。

問診や身体診察を通じて状態を確認し、必要に応じて応急処置や検査を実施します。

その結果、入院が必要と判断された場合には医療機関への紹介や搬送手配が行われることもあります。

その場での処方箋発行と薬の受け取り方

診察後は必要に応じて処方箋が発行されます。

処方箋はご家族が薬局へ持参するほか、地域によっては薬剤師による訪問服薬指導や薬の配送サービスが利用できる場合もあります。

服薬方法や注意点について説明を受け、適切な治療につなげることが大切です。

往診とは何かを正しく理解してもしもの時に備えよう

往診とは、急な体調不良や通院困難な状況に対応するために医師が自宅や施設へ訪問して診療を行う医療サービスです。

一方で、訪問診療は計画的かつ継続的な医療管理を目的としており、両者には明確な違いがあります。

高齢化が進む中で在宅医療の重要性はますます高まっています。

往診の仕組みや利用方法を理解しておくことで、患者様やご家族は緊急時にも落ち着いて対応しやすくなります。

万が一に備え、地域の在宅医療体制や相談先を事前に確認しておくことが安心につながるでしょう。

ご相談・お問合せ

「訪問診療や往診を始めたいが、何から準備すればよいかわからない」
「在宅医療のニーズは感じているが、集患や運営方法に不安がある」
「開業後の患者獲得や地域での認知拡大に課題を感じている」

こういったご相談を、クリニック経営者や開業予定の先生方から多くいただいています。

在宅医療は、診療体制の構築だけでなく、地域連携・集患・採用・業務設計など、経営面を含めた総合的な準備が重要です。

当社では、クリニック開業支援から開業後の集患・採用・経営活性化まで、医療機関の成長を総合的にサポートしています。

「これから訪問診療を始めたい」「在宅医療を強化したい」「クリニック経営を見直したい」という段階からでも、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

クリニックの開業支援から経営改善までをトータルサポートするKSメディカルサポートの専門コンサルタント・マーケター陣による共同編集チームです。
現場で培った最新の経営ノウハウや集客戦略など、クリニック経営の活性化に直結する一次情報をお届けします。

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