開業医、自らの体調不良にどう向き合うか?

開業医は勤務医以上に休みにくいと言われています。
今回の記事では、「体調不良になったときに、開業医はどのような選択肢をとるか」「体調不良に備えて、開業医がしておくべき準備」について解説します。
体調不良でも働く開業医は6割超え
医師も人間であるため、「ずっと健康な状態」でい続けることはできません。
しかし代替が見つかりにくい医師という仕事であるからか、「体調不良であっても、医師だから休むことはできない」と考える人が全体の93.7パーセントにもなるということがデータで示されています。
特に、開業医の場合はこの傾向が顕著です。
開業医の場合は軽い体調不良があったとしても、そのうちの62.1パーセントは出勤を選ぶことがあるとされています。勤務医でも半数の54.5パーセントを超えていますが、開業医の無理はそれを上回るわけです。
また、このような無理が祟るためもあり、クリニックを突然閉院する医師もいます。開業医のうちの3人に1人以上、勤務医の4人に1人以上が、「近隣医療機関の突然の閉鎖により、影響を受けた経験がある」としています。
「開業医であり、医師は自分1人しかいない。自分が体調不良で休んだ場合は、クリニック自体を臨時休業(臨時閉院)としなければならない」といったケースでは、さらに休むことが難しくなります。なぜならこのような事情によって臨時休業した場合、スタッフに対して、休業手当を出す必要があるからです。休業手当は最低でも6割以上と決められているため、収入(診療報酬)がないにも関わらず、少なくない出費が必要となるのです。
出典:
m3.com
「「体調悪くても出勤」開業医62%、勤務医55%」
「体調悪くても出勤」開業医62%、勤務医55%
日経メディカル「医者は「医者にかからない」」

m3.com
「「院長が突然脳卒中に」急な閉院で患者が周辺へ」

「自分が病気になったらどうするか?」は常に考える必要がある

開業医のケースでは、「自分が病気になったらどうするか?」は常に考える必要があります。
自分一人しか医師がいないクリニックの場合、自分が体調不良になってしまえば代わる人はいません。臨時休業や続いたり、休業期間が長くなったりしてしまえば、スタッフへの休業手当などの支払い面はもちろんのこと、患者様離れにもつながりかねません。
体調不良になってから慌てて行動に移そうとしても遅いことも多いため、事前にしっかりと対策を練っておくことが必要です。そのための方法として、以下の3つがあります。
1.非常勤医師と連携しておく
非常勤医師を雇用しておくことは、不測の事態に対するもっとも有用な手段となりえます。開業医が体調不良になったとしても、非常勤医師の勤務日数を増やしてもらえればそれだけで休業を避けられるからです。これは患者様離れを防止するために、特に有用な方法です。
ただ、体調不良になってから非常勤医師を雇おうとしても後手に回ってしまうことになります。
そのため、体調不良になる以前から、週に1回以上非常勤医師に入ってもらったり、繁忙期に2診体制を作っておいたりすることが重要です。
2.所得補償保険に加入しておく
勤務医の場合は、病気やけがを負った場合でもある程度公的補償を受けることができます。しかし開業医は、勤務医に比べて補償の面で不利な立場にあるのが現状です。
そのため、不測の事態に備えて、所得補償保険などに加入しておくとよいでしょう。
これは病気などを理由として就業ができなくなった場合に、保険金によって生活を保障するものです。
期間や支払額はプランによって違いますが、数年単位の療養に備えられるものもあります。
3.基幹病院などとの連携をしっかりと
基幹病院と個人クリニックは、患者様の利便性やより良い医療の提供といった観点からも、連携していくべきものです。そしてこの連携体制は、開業医が体調不良などになったときにも強いサポート力を発揮します。
「いざというときには、近隣の基幹病院に患者様を回す」「患者様を引き継げる姿勢にしておく」といった体制を整えておくことは非常に重要です。
私たちKSメディカルサポート株式会社は、先生の体調不良などの困難に共に立ち向かっていく準備があります。クリニックの「困った」は、ぜひ私たちにご相談ください。