「開業したら終わり」ではない! クリニックの資金繰りを考える

クリニックの資金
クリニックの開業には、2000万円~1億円程度がかかるといわれています。開業は医師の先生方にとってもっとも大きなキャリアの転換となるものであり、これを目標としている人も多いと思われます。

しかしクリニックは、「開業したら終わり」のものではありません。ある意味で開業よりも重要なのが、「存続させること」です。ここでは、クリニックの資金繰りや経営について考えていきます。
目次

なぜクリニックの資金繰りが悪化するのか?その解決策も合わせて解説

クリニックの経営が悪化する理由は、いくつかあります。

1.人件費がかかりすぎているもしくは適切に業務が割り振られていない

2.集患が上手くいっていない

3.設備投資に難があった、過剰在庫・過剰ストック

4.支払い関係への無理解

一つずつ見ていきましょう。

1.人件費がかかりすぎているもしくは適切に業務が割り振られていない

人件費は、出費のなかでも非常に大きなパーセンテージを占めるものです。

この人件費は業界・業種によって異なりますが、医療業界ではだいたい25パーセントまでに収めることが推奨されます。
また、「人件費は大きいのに、院長(あるいは〇〇さん)の仕事が多い」というケースのクリニックは危険信号です。もちろん院長(〇〇さん)でなければできない仕事はありますが、可能な限り仕事の属人化は防ぎましょう。

仕事が属人化してしまうと、その人が休んだときや辞めたときにクリニックの経営が立ち行かなくなり、高い条件を提示してほかの人を雇い入れなければならなくなることも多いからです。

これを防ぐためには、まずは「スタッフの数は適正か」「スタッフの勤務体制は適切か」をみます。たとえば、「土曜日は混雑するが、火曜日と木曜日は閑散としている」ということであれば、火曜日と木曜日に入る人を減らし、土曜日に回すとよいでしょう。

また、業務の属人化を避けるためには、「最初に教える手間がかかっても、『代打』を育てておく」という教育体制が必要です。また、求められる能力・資格をすでに持っている人を雇い入れるのもひとつの方法です。

2.集患が上手くいっていない

クリニックにとって、「集患」は非常に大きな意味を持ちます。どれだけ優れたクリニックであっても、患者様が入ってこなければ、クリニックとしての収入に反映されないからです。

なお「集患が上手くいかない」には、「今まで多くの患者様が来ていたのに、近ごろ患者様が減った」という場合と、「開業後してから今まで、一貫して患者様が来ていない」の2通りがあります。

前者の場合は、

  • 自院のクチコミ、特に悪いクチコミを確認する
  • 同業のクリニックが近くで開院した
  • 設備面で不具合が起こっていないかを見る

ことが非常に重要です。

クチコミの内容を確認し、それを解消するように動きます。たとえば、「スタッフの対応が悪い」というクチコミがあれば、患者様にどのような対応をしていたのかを洗い出し、再度スタッフ教育を行います。

同業クリニックが近くで開院した場合は、「自院はこのようなスタンスで行っている」「このようなことができる」など、差別化できる内容を打ち出していきます。

設備面に不具合が起きている場合は、すぐに修繕を頼みます。 後者の場合は、まず知名度アップを図ります。ホームページを用意し、チラシなどを配り、人に認知してもらえるように動きます。クリニックは地域と溶け込んで存在するものなので、地域のお祭りなどに参加して顔を広めるのも手です。

3.設備投資に難があった/過剰在庫・過剰ストック

過剰在庫・過剰ストック

重要度が低いにも関わらず、高額な医療機器を買ったり、ランニングコストがかかりすぎる空調を入れたりといったことでも、経営は悪化します。

また、包帯などを始めとするストックを過剰に買い込んでしまうと、これが経営難を呼び込みます。特に使用期限のある医薬品の場合は、使用しなかったものは捨てるほかなく、大きな損失に繋がります。

これを防止するためには、まずは自院に必要な設備を見極めることが重要です。また、買う前に、リースという選択肢を検討してきましょう。医療機器の営業が持ってきた情報は即決せず、必ず周りの人に相談して、購入するかどうかを検討します。

また、過剰ストックはスペースの占有にも繋がります。「自院は1か月でどれくらいの備品を使うか」「どれほどのストックが必要か」をリスト化して、必要なものを必要なタイミングで飼うようにします。

4.支払い関係への無理解

患者様が大勢来院されても、その診療報酬が入金されるのは約2か月後です。

また、入ってきた診療報酬は、クリニックの人件費や光熱費、家賃、医療用品だけに使えるものではありません。税金の支払いをしなければならないのですが、これを念頭に入れずに、「税金を払うためのお金」を確保していなかった場合、経営に影が落ちることになります。

自身で勉強することでもある程度対応できますが、税理士や専門の期間に依頼することでより精度の高いものができあがるでしょう。

また、常に「動かせるお金」を用意しておくのも重要です。2年目以降は、税金のための口座を別に作って管理するのもいいかもしれません。

私たちメディカルコンサルティングでは、貴院の集患のお手伝いや、認知度向上のための施策を提案しています。「なかなか経営が軌道に乗らない」「軌道に乗せられるか不安……」という先生は、ぜひご相談ください。

この記事を書いた人

クリニックの開業支援から経営改善までをトータルサポートするKSメディカルサポートの専門コンサルタント・マーケター陣による共同編集チームです。
現場で培った最新の経営ノウハウや集客戦略など、クリニック経営の活性化に直結する一次情報をお届けします。

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