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一般社団法人がクリニックを開業することのメリット

経営コラム

一般社団法人がクリニックを開業することのメリット

前回の記事では、「一般社団法人がクリニックを開業することの基本知識」を紹介してきました。今回の記事では、「一般社団法人がクリニック開業を行うことのメリットとデメリット」について解説していきます。

一般社団法人がクリニックを開業することのメリットとデメリットについて知ろう

一般社団法人がクリニックを開業することのメリット3つ

一般社団法人がクリニックを開業する場合のメリットは、3つあります。

1. 事業内容の変更が容易
2. 事業の継承における制限がない
3. 迅速な立ち上げが可能

それぞれ見ていきましょう。

1. 事業内容の変更が容易
医療法人によるクリニックの開業の場合は、その業務に規制がかけられます。しかし一般社団法人によるクリニックの運営の場合は、業務に対する規制がありません。そのため、「最初はAの業務をメインとしていたが、運営後にBという業務も取り扱う(あるいはB業務に乗り換える)」ということも可能です。

2. 事業の継承における制限がない
一般社団法人によるクリニック開業のもっとも大きなメリットとして、「医師ではない人にも事業が引き継げること」にあります。
医療法人の場合は理事長が医師または歯科医師であることが基本であることに対し、一般社団法人によるクリニックの場合はこの縛りがありません。
そのため、「開業した私は医師だが、子どもは医師ではなくて一般職に就いている。この子どもにクリニックを引き継がせたい」「事業を譲ることも考えていたが、孫が継ぎたいと言っている」などの場合でも、一般社団法人によるクリニック経営ならば願いを実現できます。

3. 迅速な立ち上げが可能
一般社団法人によるクリニック開業の場合は、比較的スピーディに開業を行うことができます。一般社団法人は、数週間〜3か月程度でクリニック開業にまで至ることができます。しかし医療法人によるクリニック開業の場合は、最低でも半年以上の期間が必要とされます。

一般社団法人がクリニックを開業することのメリットとデメリットについて知ろう

一般社団法人にもデメリットがある

このように一般社団法人によるクリニック開業にはメリットが多いのですが、デメリットもあります。

・地域によっては許可が下りにくい
・営利団体の場合は許可が下りない

それぞれ見ていきましょう。

1. 地域によっては許可が下りにくい
従来、「クリニックの開業」といえば、行うのは医療法人もしくは個人の医師が行うものでした。「一般社団法人によるクリニックの開業」は比較的珍しい選択肢であるので、地域によっては担当者が慣れていないこともあります。場合によっては、「本ケースが初めて」ということもあるでしょう。
上で述べたように、担当者が慣れている人の場合は、一般社団法人によるクリニック開業の方がスムーズです。しかしそうではない場合、審査や対応に非常に長い時間がかかることがあります。

2. 営利団体の場合は許可が下りない
「一般社団法人によるクリニック開業は自由度が高い」としましたが、それでも営利型一般法人の場合は許可がおりませんし、営利を目的とすることもできません。そのため、「理事の親族の割合が、全体の理事数の3分の1を超えることは認められない」などのような規約がついているのです。
そのため、「家族全員が理事となり、クリニックを運営していきたい」などの場合は、制限がかかることになります。

KSメディカルサポートでは医療向けコンサルティングを行なっております。一般社団法人様はもちろん、独立開業や医療法人様の相談にも対応しておりますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。

存続できる医院にするために

ご自分のクリニックで思いどおりの医療を提供できるようになるのはこの上なく幸せなことだと思います。 独立してからのクリニック運営には細かいところで面倒やリスクがつきものですが、 正しいやり方で運営する限り何も心配することはございません。