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自由診療と保険診療の違い

経営コラム

自由診療と保険診療の違い

医療保険とは

1961(昭和36)年以降、日本では、すべての人が公的な医療保険に加入することになっており、これを国民皆保険制度といいます。従い、医療保険とは、すべての人が加入しお金を出し合って運営している助け合いの仕組みと言えます。
医療保険は、サラリーマンが加入する被用者保険(職域保険)と、自営業者・サラリーマンOBなどが加入する国民健康保険(地域保険)、75歳以上の方が加入する後期高齢者医療制度に大別されます。
職域保険としては、一般の被用者(サラリーマン)とその扶養親族を対象とした「健康保険」と、公務員や船員など特定の被用者とその扶養親族を対象とする「共済組合」や「船員保険」があります。
「健康保険」には、主として中小企業の被用者等を対象とした「全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)」と、主として大企業の被用者等を対象とした「組合管掌健康保険」があります。保険料は、被用者の給与水準によって決まり、被用者本人と使用者(企業)がほぼ折半となっています。

保険診療とは

保険診療とは、健康保険等の公的医療保険制度が適用される診療のことです。
保険診療では、患者は診療費用の3割(義務教育就学後、70歳未満の場合)を支払い、残額は公的医療保険から支払われることとなります。
医療機関は、厚生労働省から「保険医療機関」として指定を受けて診療にあたる必要があり、保険診療の診療内容も様々な法律に基づいた細かい規定があります。また、各疾患に応じて検査や治療内容等が決められているので、その制限内での治療等をしなければなりません。その他、医療機関の診療報酬等についても規定があります。
1か月の自己負担が一定の額を超えた場合は、その超えた分が高額療養費として払い戻されます。事前に加入している保険者からあらかじめ「健康保険限度額適用認定証」の交付を受けて病院や薬局の窓口で提示すれば、支払い額は自己負担限度額ですみます。ただし、入院時の食事代や差額ベッド料などは対象となりません。

自由診療とは

自由診療は、保険が適用されない診療のことで、厚生労働省が承認していない治療や薬を使うことができますが、治療費が全て自己負担となる診療を指します。
例えば自由診療には、あざの治療や美容整形、乳ガン手術後の乳房形成、個人に合った漢方(東洋医学)を、保険適用外で処方する場合、歯の詰め物に良い素材を使う場合、歯の矯正、またがん治療などの最先端治療(以前の臓器移植や海外の新薬)などがあげられます。
また、素肌や容姿をよりよい状態にする医療行為である美容整形などの美容医療、AGA(男性型脱毛症)治療、ED(勃起不全)治療等も自由診療の一例となります。
これらの自由診療は、患者の経済的負担は多少大きくなりますが、十分な時間をかけての診療など、望まれる治療が提供できる質の高い医療を行えるというメリットがあります。

混合診療とは

保険で使える診療は保険診療で行い、保険で認められていない部分は自由診療で行えれば経済的な問題も解決するのですが、これは「混合診療」といって、基本的に認められていません。混合診療を認めると、平等な医療を受ける機会を保証した皆保険制度の主旨に反するからというのが理由です。
保険診療の場合には、「初診から治療の終了に至る一連の診療行為の中に、保険がきく診療行為と保険がきかない診療行為を混在させてはならない」という「混合診療の禁止」のルールがあります。このルールがある以上、保険がきかない部分に対して患者に自己負担を求めようとするなら「一連の診療行為」全てを自由診療、すなわち全額自己負担にしなければならないため、混合診療が行われることはごく一部の医療サービスに限られます。

存続できる医院にするために

ご自分のクリニックで思いどおりの医療を提供できるようになるのはこの上なく幸せなことだと思います。 独立してからのクリニック運営には細かいところで面倒やリスクがつきものですが、 正しいやり方で運営する限り何も心配することはございません。