「目立たない外観」にすることのメリットとは

病院の外観

クリニックは、そのクリニックに予約した人が訪れやすいようにするために、分かりやすい外観にするのが基本です。また、分かりやすい外観にしたり看板を設置したりすることで、そこを通りかかる人に認識してもらえるようになり、その人が困ったときに「そういえばあそこにクリニックがあった」と「候補」のひとつに入れてもらいやすくなります。

そのため、クリニックは、その名前や診療科をわかりやすく表示することが一般的です。

しかし一部のクリニックでは、「目立たない外観、目立たない看板(あるいは看板なし)」であることが有利に働くこともあります。

それについて見ていきましょう。

目次

デリケートなジャンルの場合、「入る人の羞恥心」に配慮することが必要

一般的な科のクリニックは「わかりやすさ」を重要視しますが、AGAクリニックや泌尿器科などの場合は、目立ちにくい外観にする方がよいでしょう。これらは非常にデリケートなジャンルであり、「入るところを人に見られたくない」と考える人も多いからです。

「AGAクリニック」などのように大きく科名を表記した大きいサイズの看板を設置することは避けます。
クリニック名を入れた看板を出す場合は、
・クリニック名だけを入れる

・AGA/スキン/内科 などのように、AGA以外の診察可能範囲の科もクリニックに入れる

・落ち着いた色合いや落ち着いた文字体を選ぶ

などの工夫をするのが望ましいといえます。

また、「道路に面する側には目立たない看板を設置して、中に入ってきた人・入ってくる人にはわかりやすい看板が見えるようにする」という方法をとるのもひとつの方法です。

たとえば、ビルで開業しているクリニックの場合、

1.道路に面しているビルの外看板には、クリニックの名称だけを書く

2.ビルの内部にあるエレベーターの近くの表札看板には、「AGAクリニック+〇〇クリニック(クリニック名)」と記す

3.クリニックの前の扉には、「AGA専門クリニック〇〇」とする

などの工夫です。

こうすれば、「分かりやすさ」と「羞恥心への配慮」の両方を行えます。

「看板は目立たせる必要はあるが、配慮は必要」という場合はどうするか

「ある程度人の目に入るような看板・外観にしたいが、科の特性上、患者様のプライバシーに特に配慮する必要がある」という場合は、前者と後者を両立できる外観デザインにすることが大切です。

たとえば、精神科などの場合は、患者様の「精神科に通っているところ、精神科のクリニックに入るところを人に見られたくない」という気持ちに配慮することが求められます。

そのための方法として、

ビルの2階以上で開業する。1階で開業するときは、ガラス張りの外観などは避ける

・出入口の真正面に待合室があるとプライバシーの確保が難しいので、1回以上曲がらなければ待合室にいけないようなデザインにする

・道路側から直接クリニックの扉が見えるようなデザインは避け、道路側に壁を設けるなどして、入るところを見られないようにする

・看板はクリニック名だけを入れるもしくは「こころのクリニック」などのように親しみやすい言葉を使った看板とする
などの工夫が必要です。

精神科(やAGAクリニック)の場合は、事前に予約してから来院する患者様がほとんどです。そのため、目立つ看板はそれほど必要とされません。ただ、「潜在的な患者様の目に入るように、ある程度は目に入るようにしたい」ということであれば、上記のように「看板を出しつつも、すでに通っている患者様や今から入ろうとしている患者様のプライバシーに配慮できる作り」にすることが望ましいでしょう。

「人に認知してもらえること」は、クリニックの運営において非常に重要です。

しかし時には「目立たない外観」「人に認知はしてもらえるが、通う患者様が負担に思わない外観」にすることも重要です。

私たちKSメディカルサポート株式会社では、新しく開院される先生方のサポートを行っています。 クリニックの外観の悩みも含めて、ご不安な点があればなんでもご相談ください

目次