ワクチンを取り扱うことのメリット

予防接種を推奨する

医療上重要な役目を持つ「ワクチン」は、接種を受ける患者様はもちろん、接種をするクリニックにもメリットが多いものです。

ここでは、ワクチンを取り扱う意味や、そのメリットについて解説していきます。

目次

ワクチンに関する近年の動向

ワクチンは人類の医学史上においてもっとも重要な発明ですが、これを取り巻く状況は時代によって多少異なります。

たとえば新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威をふるっていた時期には、国はワクチン接種を推奨するべく、さまざまな支援策を行っていました。ワクチン対策負担金として4319億円もの予算が計上され、その体制を確保する事業にも3439億円の予算が計上されていました。さらに、「週に150回以上の接種を、特定期間以内に4週間以上にわたって行う場合は、1回につきさらに3000円の交付金を出す」「時間外や休日に、ワクチン接種のために会場に赴く医療従事者には支援金を出す」としていました。

また、直近の話では、2025年の11月19日に、厚生労働省から「RSウイルス感染症のワクチンを、2026年4月以降は定期接種とし、その接種費用を公費で負担する」という通知が出されました。

予防接種法は1948年に公布されたものです。日本脳炎ワクチンやB型肝炎ワクチン、おたふく風邪ワクチンなど数多くのワクチン接種が進められてきていて、特に妊婦さんや乳幼児~小児を主な対象とするクリニックにとってはワクチンは日常的に取り扱うものとなっています。

またこの季節であれば、成人を主な対象とするクリニックでも、インフルエンザワクチンなどを接種する機会が多いものです。

出典:
日本経済新聞「RSウイルスワクチン、2026年度から定期接種に 妊婦が対象」
厚生労働省「ワクチン接種に係る新たな支援策について」
あおい小児科「各種ワクチンの発売からの現在までの歩み」

クリニックが予防接種を導入するメリットについて

予防接種を導入すると利益がえられる

クリニックが予防接種を導入することには、大きなメリットがあります。

まず、すでに述べたように、一部のワクチンはその接種が義務化されているものです。公費による補助が行われているため、クリニックにとっては「安定的な収入源」となり得ます。特に、ワクチンを短いスパンで行うことになる乳幼児~小児をメインの患者層とするクリニックにおいては、ワクチンは経営において非常に重要なキーとなるでしょう。

また、インフルエンザワクチンは、クリニックの開業後にクリニックに多額の収入をもたらしてくれるものだともいわれています。多くの人が接種を希望するニーズの高いものであるため、11月~2月にかけての重要な収入源となるでしょう。

なお、インフルエンザワクチンは年によってその不足が叫ばれる点には注意が必要です。

最後の1つ、もっとも大きいメリットとして、「リピーターを獲得できる」という点が挙げられます。

ワクチン接種を希望する患者様は、「あのクリニックは毎年予防接種をしてくれる」「去年もあそこで受けられたから、今年もお願いしよう」と考えます。また、ワクチン接種を受けられる医療機関ということで、「何かあったらここに頼もう」「前にワクチン接種をお願いしたときに親切な対応をしてもらえたから、体調不良のときはここに相談しよう」と考えるようになる患者様も多く見られます。

患者様のかかりつけ医となること、リピーターとなる患者様を獲得することは、クリニックの安定経営を成功させるために必須です。予防接種を取り扱うことは、予防接種そのものによる短期的な収入確保だけではなく、このように中長期的にお付き合いできる患者様の獲得にもつながるのです。

なお現在は、予防接種・ワクチン接種のみを取り扱うクリニックも存在しています。クリニック経営の方法のひとつであるため、今後クリニックの開業を考える先生は、このような選択肢も視野に入れてみてもよいかもしれません。

なお、インフ私たちKSメディカルサポート株式会社では、「予防接種を取り扱うべきかどうか」「開業にあたり、予防接種だけを取り扱うクリニックを考えているが、そのメリットとリスクを知りたい」「予防接種を取り扱うときに、注意すべき点は何か」などのご相談もお受けしています。

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