一般社団法人がクリニックを設立するまでにかかる費用

一般社団法人がクリニックを設立するときにかかる費用は、医師が個人で開業する場合や、医療法人が開業をする場合とはまた異なります。
ここでは、一般社団法人がクリニック設立までにかかる費用を、ほかの2つの方法と比較して解説していきます。
一般社団法人がクリニックを開設するまでに必要となる費用について
まず、一般社団法人を立ち上げるときには11万2000円が最低でも必要となります。
これは公証役場で定款の作成をするときの費用(定款認証手数料)+法務局での登記申請費用を合わせた額です。ちなみにこれ以外にも、法人の印鑑作成費用など、こまごまとした費用がかかることになります。
また、ここに、クリニックの開設許可申請のための手数料がプラスされます。解説許可申請のための手数料は自治体によって異なりますが、おおむね20000円前後です。たとえば、大阪市や港区では18000円としていますが、千葉県では19000円としています。
ちなみに医療法人の場合や個人クリニックの場合は登記費用はかかりません。ただし医療法人の方が一般社団法人よりも設立までの手続きが複雑になりますし、個人クリニックの場合は所得によっては所得税の税率が非常に高くなる可能性があります(後述します)。
なおこの「一般社団法人がクリニックを立ち上げるときにかかる費用」は、あくまで最低限必要な費用です。行政書士や税理士などの専門家に依頼すると、さらにここにその専門家への報酬金額が乗ることになります。専門家への依頼費用は、「どこまで頼むか」「手続きの煩雑さ」「事務所ごと・専門家ごとの金額設定」によって異なりますが、数十万~100万円程度はかかると考えておいた方がよいでしょう。
所得税・法人税の話~所得が多いならば一般社団法人の方が得に

クリニックを立ち上げるときに考えたい費用として、「開設時にかかる費用」だけでなく、「所得税・法人税」があります。
所得税も法人税も所得に対して課せられる税金であるという点では同じですが、前者は個人に対して課せられるものであるのに対し、後者は法人に対して課せられるものであるという違いがあります。
一般社団法人および医療法人(以下「法人」とする)場合は、年の所得が800蔓延以下の場合は15パーセント、それ以上の所得に関しては23.2パーセントと定められています。また、地方法人税(地方による財源の格差を埋めるために設定されたもの)として、法人税×10.3パーセントの税金も納める必要があります。
対して、個人の場合はもっと細かく税率が設定されています。
個人の場合は194万9000円までの収入に収まる場合は税率が5パーセントで計算されますが、これが194万5000円~329万9000円までなら10パーセント、さらに330万円~694万9000円までなら20パーセント……と段階的に引き上げられていきます。4000万円を超えた場合の税率は45パーセントとなり、非常に高い税率で計算されることになります(※ただし、それぞれの段階で控除額が設定されています)。
人がクリニックを開設した場合、その所得が低い場合の税率は、個人で開業したクリニックよりも高くなります。しかし所得が増えても、法人開業の場合は税率が一定であるため、「比較的所得が高くなりそうなクリニック」の場合は、法人として開設した方が納める税金は少なくなります。
また、都道府県県民税も、個人の場合は4パーセントと設定されていますが、法人の場合は1パーセントに設定されています。
基本的に、開設時にかかる費用は一般社団法人>医療法人>個人クリニックです。
しかしクリニックを運営していくうえでかかる所得税・法人税の税率は、所得が多くなれば法人の方が低くなります。
クリニックを開業するうえでは、このような点も踏まえて考えるべきでしょう。
KSメディカルサポート株式会社では、一般社団法人でのクリニックの開業も含めて、クリニックの開業・経営のお手伝いをしています。お困りの際はお気軽にご相談ください。