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自由診療をどう考えるか?~クリニックにおけるメリットとデメリット

経営コラム

自由診療をどう考えるか?~クリニックにおけるメリットとデメリット

自由診療が患者様側にとって、治療の選択肢を増やすというメリットとなり、治療費が高くなるというデメリットとなることは、すでによく知られている通りです。

では自由診療は、クリニックにとってはどのようなメリットがあり、またどのようなデメリットがあるのでしょうか。

ここでは、「クリニックにおける自由診療」について考えていきます。

自由診療

自由診療を取り扱うことのメリット

自由診療を取り扱うメリットのなかでもっとも大きいのは、やはり「経営面でプラスになりやすい」という点が挙げられます。

金額の決まっている保険診療とは異なり、自由診療の場合はクリニック側が自由に金額を決められます。

これは単純に「料金を自由に決められるので、その分利益が大きくなる」というだけにとどまりません。保険診療のなかには、「保険診療によって得られる報酬では、割が合わない」というものがあります。

たとえば精神科領域の療法の1つであるTMS療法は、1回の治療で使われる器具の料金が10000円程度もかかるのに、入ってくる医療費はわずか12000円程度です。単発でこの療法のみを受けられた場合、医院経営が非常に難しくなるという事情があります(そのためこの場合は入院治療も視野に入ります)。今回はTMS療法をひとつの例として出しましたが、このような問題は、ほかの科でもありえることと思われます。

医療人として、新しい技術や薬を取り扱えるという魅力も大きいといえます。まだ未承認の薬を使うことができたり、保険適用とされていない最先端の技術で患者様に臨んだりすることができます。

「新しいことを学びたい」「より良い治療を模索していきたい」と考える医療人にとって、これは非常に大きな魅力となるでしょう。

また、患者様一人ひとりに合った医療サービスを提案できるというのもひとつのメリットです。

美容クリニックはその最たる例ですが、「健康や命や体の機能を守るための医療」だけではなく、「より美しい自分に近づくための医療」も受けることができます。また、痛みや時間的な負担が少ない治療を提供することもできます。これは患者様にとってのメリットとなるだけではなく、「ほかのクリニック(および保険診療)だけでは難しい医療を、私たちのクリニックならば提供できます」というセールスポイント・アピールポイントともなりえます。

自由診療のデメリットも把握しておきたい

チェック

ただ、自由診療にはデメリットもあります。

まず1つめは、「患者様によって、ふるいにかけられる可能性がある」という点です。

上では「自由診療を取り扱うことで、収益が上がりやすくなる」としました。しかし自由診療だからといって、高すぎるプランを設定してしまうと、患者様はまずそのクリニックを選ばなくなります。現在はインターネットで手軽に料金面も比較できますし、美容医療などの対応を急がない施術に関しては、相見積もりをとって比較検討をする人も多いからです。このような状況では高すぎるクリニックは候補から外される傾向にあるため、ほかの競合の他院に負けてしまう可能性もあります。

特に競争率の高い地域などでは、「自由診療」としていても、実際には「相場」があり、そこから大きく外れた料金設定はしにくいという現実があります。このため、思ったほどには利益が上がらず、また集患自体が難しくなるという問題点があります。

また自由診療を行う場合は、手続きや説明が煩雑になりがちです。スタッフ自身が自由診療の仕組みを理解し、それに対応する書類業務をマスターしなければなりませんし、患者様にご納得いただけるようなわかりやすい説明を行う技術を学ぶ必要もあります。このため、スタッフの教育に時間を割く必要があります。

上でも少し触れましたが、自由診療の場合は保険診療以上に集患を意識することが重要になるため、そのマーケティング戦略もしっかり練る手間も計算に入れなければなりません。

私たちは、自由診療を取り入れたいと考えるクリニック様を助け、より良い運営を可能にするためのアドバイスを行っています。ぜひお気軽にお聞きください。

存続できる医院にするために

ご自分のクリニックで思いどおりの医療を提供できるようになるのはこの上なく幸せなことだと思います。 独立してからのクリニック運営には細かいところで面倒やリスクがつきものですが、 正しいやり方で運営する限り何も心配することはございません。