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患者が選択肢を複数持てる医療新時代へ

経営コラム

患者が選択肢を複数持てる医療新時代へ

AIの進化はめざましく、すでに医療の現場においても、活発に取り入れられています。 アメリカでは、AIによる分析によって病状悪化の可能性の高い子どもをいち早く察知して、医者に伝達できるシステムが導入されていたり、中国では無人診療所が設置されるなど、AIの実用化が世界的に進行しています。 AI化が遅れている日本でも、2022年までに実用化を目指した「AIホスピタルによる高度診断・治療システム」という計画が動き出しています。

▼AIホスピタルについて
https://medicaldx-jp.com/news/257

AIの最大の強みは、過去の膨大なデータから規則性を導き出すことです。 AIの得意分野である画像分析においては、人間の目では見落としがちな病変を高い精度でみつけることができます。 胸部レントゲン検査、胃カメラにおけるガンの診断精度では、すでにAIのほうが勝るという結果になっています。 今まで医師の知識や経験に依存していたことが、いまやAIによって代替されようとしています。

では、AI化が進む医療業界において、医師は何を強みにすべきなのでしょうか。 それにはAIが苦手としている要素を考えることが妥当といえます。

AIとはデータの集合体から平均化された結果を導きだすという仕組みです。 つまり、全体的な情報をもとにした分析をするには長けていますが、患者様個人のニーズに寄りそうことは難しいということです。

病気という結果は同じであったとしても、患者様によって生活環境や治療に対する考え方も違うため、患者様に合った医療の提供が必要となってきます。 そのとき人間である医師が、患者様一人ひとりのニーズに適切な答えを用意することがこそが、差別化をしていくべきポイントになります。

(1)病気になったからこそ感じる、患者様の願望や課題をケアする

病気になった時には、病気を治療することだけが医療ではありません。 「このような治療をしたい」「原因と向き合って生活習慣をみなおしたい」「痛みや課題を取り除いた生活を送りたい」という様々な要望に対して、きちんとケアしていくことも医療の役割です。 患者様の話を聞いて、患者様が最も課題としている部分をどのように解決するかを導き出せるのは、人間の医師だけなのです。

(2)選択肢を複数もち、患者様の満足度を上げる

患者様のニーズをヒアリングできたとしても、解決策を提示できなければ意味はありません。 今では当たり前になったセカンドオピニオンも、患者様が適切な選択肢をもつことです。 「年齢のせいだから仕方がないでしょう」「体質だから、うまくつきあってください」という診断は、患者様の望んでいる回答ではありません。 それを踏まえたうえで、あんな方法やこんな方法もあるんですよと、選択肢を提示できるかどうかで、患者様の満足度は大きく変わることでしょう。

(3)幅広い治療方法を取り入れる

保険診療では適用範囲に制限があります。迷うことなく自由診療も取り入れるべきです。治療したいと願っている患者様にとっては、費用の高い安いは問題にはならないことのほうが多いです。 とにかく安く治療したいというニーズも少なからずあるでしょうが、考えられるベストの治療をしたいというのが患者様の本質的なニーズと考えるべきでしょう。 実際に自由診療を導入している医療機関において、納得して治療している患者様の満足度が上がることはあっても、費用が高すぎるというクレームは極めてまれです。

自由診療の導入における注意事項としては、
① 患者様の課題としている問題を解決する手法であること
② 治療として出す自由診療の内容が的確であること
が大前提となります。

とにかく何でも取り入れれば良いわけではなく、ここにも医療経営の長期戦略の考えは必要です。 患者様にとって何が最適かを熟考することで、これからの時代を勝ち抜ける医療機関になることでしょう。

AIの躍進により、質の良い医療の価値観も変わりつつあります。 もはや正確な診断は当たり前であり、今後は患者様一人ひとりにあったベストな提案ができ、治療の選択肢を複数もつ医師を患者様が選ぶようになります。 医療機関の戦略において自由診療が重要な選択肢となってくるのです。ご検討の際は、ぜひとも当社へご相談ください。

存続できる医院にするために

ご自分のクリニックで思いどおりの医療を提供できるようになるのはこの上なく幸せなことだと思います。 独立してからのクリニック運営には細かいところで面倒やリスクがつきものですが、 正しいやり方で運営する限り何も心配することはございません。